松本大臣記者会見(令和8年8月25日)​

松本デジタル大臣記者会見要旨

(令和8年8月25日(火) 10時42分から11時7分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)

1. 発言要旨

まず、国家公務員制度担当大臣としての報告になります。8月7日に国家公務員の給与改定に関する人事院勧告を受けて、その日に、持ち回りによって第1回給与関係閣僚会議を開催し、国家公務員の給与の取扱いの検討に着手するとしたところです。
政府としては、人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立って、国政全般の観点から検討を進め、早急に結論を出す必要があると考えています。
また、給与勧告のほか、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の改正について、勧告及び国家公務員災害補償法の改正についての意見も出されているところですので、これについても必要な検討をしてまいりたいと思います。

2点目、長時間の超過勤務を行った職員に対する面接指導の徹底、これについて報告したいと思います。長時間の超過勤務を行った職員については、医師による面接指導が義務付けられているのですけども、内閣人事局が行った調査では、必ずしも実施が徹底されていないという状況でございました。従って本日の閣僚懇談会においても、各大臣の皆さんに対しまして、私の方から、職員の健康維持等のためにも、面接指導を確実に実施するようお願いをしたところでございます。

3つ目です。AI時代の国家公務員の在り方に関する検討会についての報告になります。
7月28日の人材改革プランの公表、国家公務員バリューアッププロジェクトをこの場でお話をさせていただきましたが、8月17日にそのバリューアッププロジェクトの中の1つとしてAI時代の国家公務員の在り方に関する検討会、これの初会合を開催し、私も構成員の方々と、全部で2時間あったのですけども、ディスカッションをさせていただきました。かなり中身の濃いやり取りになりまして、最終的にはAIに関する哲学的なお話までに至ったのですけれども、非常に良い意見がたくさんございました。
今後、梅崎座長の下で議論を深めていただいて、来年1月を目途として取りまとめを行い、AI時代の新しい国家公務員像や育成方法を始めとした人材マネジメントの在り方などを打ち出してもらう予定としております。

4つ目でございます。昨日、8月24日、第3回のCBRNEテロ対策会議を開催しました。これまで専門家や都内医療機関のヒアリングや6月に図上訓練を重ねてきておりまして、これらの取組を踏まえて、今回の会議ではCBRNEテロから国民を守り抜くためのアクションプランを取りまとめたところでございます。私からはCBRNEテロ事案発生時における現地関係機関の統合的運用、具体的に言うと消防、警察、自衛隊や医療といういろいろな機関がばらばらに運用する傾向が非常に強いですので、私も災害、救急医療関係の訓練をたくさんやってきましたけど、どうしてもそういう傾向がありますから、そういった各機関が現地で統合的に運用できるような形に進めてほしいということを今進めています。また、危機対応医薬品の備蓄、搬送体制の具体的な検討、これあちこちに備蓄するわけですけどそれを誰がどういった形で現地に運ぶか等々はまだ明確な形になっていませんので、これも急がなければいけないと思います。あるいは、CBRNEでございますから原因物質不明の状況下など、複合的な事態を想定したシナリオに基づいた実効性のある訓練を繰り返し行うといったようなことを改めて昨日の会議では指示をしたところです。今後は、内閣官房の国家危機管理室を中心として定期的にフォローアップしながら、実効性のあるCBRNEテロ対処能力を高めていくということになろうかと思います。

5つ目でございます。デジタル庁で取り組んでいます「アナログ規制の見直し」であります。
「アナログ規制」というのは、法令等において、「人の目による確認、現地での調査、書面での掲示」など、アナログな手法を前提としている規制なのですけれども、デジタル庁では、2022年に「一括見直しプラン」を決定して、アナログ規制の見直しに取り組んできたところです。今般、見直しが必要な規制が8,162件あるうち、本年5月末の時点で99.6%、8,133件について見直しが完了し、公表したところでございます。
さらに、今後、無用なアナログ規制が生まれることはいけませんので、毎国会に提出される各省庁の法案について、デジタル庁が事前審査、いわゆるデジタル法制審査を実施しておりまして、先月までの特別国会においては64件の新しい法律、あるいはその法律の改正が行われたところですけれども、立入検査において証拠隠滅等のおそれがあるようなデジタル化がそもそも困難な場合1例を除いて、残り全てでデジタル技術の活用が可能であるということを確認しているということでございます。
こういったことは引き続き、しっかりと新しい法律ができる都度、デジタル庁としてはアナログ規制をしっかりと眺めていって、より一層社会のデジタル化を進めるところの先頭に立ちたいと思っています。

6つ目です。先月28日の会見で本日リリースと案内しておりました「マイナアプリ」について、予定通り本日リリースしましたので、お知らせしたいと思います。
「マイナアプリ」というのは、今まであった「マイナポータルアプリ」に、官民の幅広いサービスに導入されている「デジタル認証アプリ」、この両方を統合したものでございます。
それによって、ひとつのアプリで簡単・安全に、様々なサービスに対して、マイナンバーカードで本人確認等ができることになります。 
現在、既に「マイナポータルアプリ」をインストールしている場合は、設定に応じて「マイナアプリ」に自動的にアップデートされます。ただ、自動的にアップデートする設定にしていないといけないので、ここにいらっしゃる皆さんも是非設定して、そうすると自動的に新しいマイナアプリに変更になります。それからマイナアプリをこれから初めて利用される方々にとっては、利用登録が初回のみ必要になります。利用登録というのは4桁のマイナンバーカードの暗証番号を入力するか、生体認証をするかということになります。生体認証はiPhoneとか入っている人はすぐできますけど。そして、もう1つは端末ロックの設定が必要になります。これはPINコードとか顔認証、指紋認証ということになりますけど、この3つが必要になるのですけども、これからいろいろなサービスをマイナアプリに集約していくということにしたいと思っております。
本日から、この今までのアプリのマークがこのようになっている、暫定的に今マイナちゃんが左下にあしらわれたアイコンになりますけれども、概ね年内を考えておりますが最終的にはこれに全部統一することになります。マイナちゃんには、引き続きいろいろな場面において、デジタル化のお手伝いをしていただくと。よろしくお願いを申し上げますということです。

7つ目になります。本日、そのマイナポータルなのですけれども、パスポート申請画面をリニューアルいたしました。
パスポート申請については、従前から、マイナポータルによるオンライン申請が可能になっていたのですけれども、今回、より一層使いやすくしたということです。
どの点かと言いますと、まずiPhoneのマイナンバーカードを利用できるようになりまして、設定された顔認証や指紋認証を使って、スムーズにパスポート申請ができるようになりました。それからAndroidについては、できるだけ早く、iPhoneと同じような機能を持たせるように、今作業を進めているところでございます。
もう1つは、子などのパスポートを親権者が申請する場合には、代理人登録等の事前の手続が不要になります。
さらに、国外に在住の方については、従前から外務省のオンライン在留届を通じてオンラインでのパスポート申請が可能になっていましたけれども、今回から国外転出の手続が終わっているマイナンバーカードを持っていれば、マイナンバーカード経由でマイナポータルからもパスポートの更新の申請ができるということであります。この3点、これまで以上にマイナポータルを経由したパスポート申請のサービスの向上となったということでございます。

最後は、本日から30日まで、アメリカのシアトルとロサンゼルスに、私、出張してまいります。
シアトルでは、現地に拠点を有する大手IT企業を訪問しまして、デジタル関係の最新の取組について意見交換をしたいと思っております。我が国、デジタル赤字が大きいですので、これをどうやって抑えるかについて向こうのビッグテックといろいろと意見交換をしていきたいと思っています。
ロサンゼルスでは、米国で社会実装が進んでいる自動運転を少し視察してまいります。日本でこれからできるだけ早い段階で自動運転の車の社会実装を進めていかなければいけません。今、あちらこちらでいろいろと実証事業をやっていますけど、いつまでも実証事業をやっている時期ではもう既にありませんので、どうやって社会実装をするか、一方ではビジネス化、事業化していくかということも含めていかなければいけませんし、あるいは国産の自動運転車を広げていかなければいけませんので、そういったいろいろなことをこれから進めていくにあたって、まず向こうの状況をこの目で確認していくことになろうかと思っています。

2. 質疑応答

(問)令和8年熊本地震についてお伺いします。大臣、地震後の記者会見で被災地にデジタル支援チームを派遣したこと、また、ガバメントAI 源内について被災地自治体に無償提供することをご説明されました。現状のデジタル庁の被災地の支援活動の内容、それに対する大臣のご所感、また、災害被災地のデジタル支援の必要性についてお考えを教えてください。

(答)まずは令和8年熊本地震で被害に遭われた皆様には改めてお見舞いを申し上げたいと思います。そしてデジタル庁では、発災直後に災害対策本部を設置して、7月29日に災害派遣デジタル支援チーム、通称D-CERT、Digital Coordination and Emergency Response Teamの略になりますが、これを初めて派遣しました。昨年の夏に官民共同でこのチームを作ったのですけれども、初出動ということになります。現地においては、現場の課題や現場のデジタルニーズをまず把握するということで、そのニーズを踏まえた支援を行っています。いろいろなお困りごとというのは、多分被災地には、特に自治体にはあると思いますけども、そのお困りごとをまず我々が把握をして、それがデジタルの技術でもって解決できるのであれば、それをすなわちすぐにシステムを作る、あるいはアプリを作る、いろいろなものを作って提供する。それは現地のエンジニアができるレベルもあれば、お困りごとをデジタル庁の方に報告してもらって、デジタル庁で作ってそれを向こうに提供するというようなやり方もあると思いますが、そういったことをこれまで、今も続けております。例えば具体的には、被災した自治体の職員の皆さんが物資の調達・輸送に必要な情報を共有する新物資システム、B-PLoと言いますが、これの入力効率化ツールを提案したり、あるいは、防衛省が借り上げている民間船舶はくおうⅡの宿泊者を対象とした、一時下船時の受付手続を効率化するための専用アプリの開発・運用なども行っています。また、先ほどお話がありましたガバメントAI 源内を緊急で配布しまして、いろいろと法律的な問題であるとかそういったことを相談するツールとして使っていただいております。現在、熊本県内では7団体、それから災害支援を行う他の自治体の方でも109団体活用いただいておりまして、使用の継続が見込まれるので9月末までご利用いただけるように、今のところしているというところでございます。その他、例えばマイナポータルにおいて罹災証明書のオンライン申請が可能になっています。こういったいろいろなことができるように、デジタル庁としてはD-CERTを1つの手足として使っていこうとしているところです。支援活動はまだ続いておりますので、現場のニーズの状況を踏まえながら派遣の期間を決めていくことになろうかと思います。また、今回が初めてですから、被災地に一体どういうニーズがこれからも増えてくるのかとか、あるいは別の災害がまた起こった時にどういう準備を我々は平時からしておいた方がいいのかということについても、もう既に話し合いをしておりまして、しっかりと今回の対応状況を検証しながら、平時からの体制整備や人材育成に反映させるなど、災害能力の向上についてデジタル庁ができることを最大限やっていこうということで考えているところでございます。

(問)リニューアルしたマイナアプリについてお伺いします。アプリを一本化したことについて、これによってマイナンバーカードとか、その制度の普及に資すると考えるのでしょうか、期待するところを教えてください。

(答)デジタル認証アプリというアプリがあって、マイナポータルというアプリがあって、いろいろと今まではサービスを作るごとにアプリを作っていくということはよくあった、別にこの世界ではなくても他にもたくさんあったと思いますが。同じマイナンバーカード経由でやる仕事ですから、そういったものを全てマイナアプリに集約して、そこからいろいろなサービスの提供が受けられるようにしようと。政府がやるサービスでもありますから、基本的にやはりマイナンバーカードの特徴である本人確認がきちんとできるところから入り口に入っていくと、そこを入り口にしているので、マイナアプリを1つ今回リニューアルして、入り口をきれいに整理整頓するという方向性は間違っていないと思います。それによって、いろいろなサービスがそこに入っているということがこれからもっと増えてくれば、当然マイナンバーカードを持つ人も増えてくるだろうし、iPhoneや、今後Androidでもできるようになりますから、カードを持たなくても携帯を持っていれば、携帯忘れる人はいないので基本的には、無くしたらみんな大慌てするぐらいですから。ですので、そういった状況を作っていきたいかなと思っています。実はまだまだカード本体でないとだめというところもたくさんあって、この間古くなった携帯を引き取ってもらおうと思ってショップに行きましたら、マイナンバーカードの本体がないとできないと言われて、僕、iPhoneの中に入っているのにだめと言われました。どちらも同じレベルで本人確認ができるはずなのですけど、まだまだそういうところもあるので、最終的にはいろいろなものを1つのアイテムに集約していって、より一層便利に使ってもらおうというところが目標ですので、このマイナアプリをリニューアルしたのもその先駆けというか、その一端というご理解をいただければよろしいかと思います。

(問)先ほどお話にあったガバメントAI 源内についてですけれども、現在提供している団体の数は本日時点で良いのかと、自治体の数で言うと何自治体に提供していて、自治体の名前はどこなのかというのを教えていただけますでしょうか。また、災害対応におけるこうしたAI活用の意義であったり効果について、大臣のご所見をお聞かせください。

(答)24日の時点だそうでございます。それから、109団体というのは災害支援を行う他の自治体等になっていますから、全部が自治体ではないかな。ボランティア団体も含めてということだそうです。それから熊本県内では7自治体に利用してもらっているのですけども、名前の公表は差し控えたいと思います。使っているのかと余計にいろいろな質問等々が入って自治体に迷惑がかかりますので、そこは控えさせてください。

(問)こうした災害対応における生成AIなどの活用の効果であったり、意義についてはどう捉えていらっしゃいますでしょうか。

(答)効果は、これから、どれぐらい活用して何に役立ったかというのは、ある程度一定期間活動が終わった時点で検証したいと思っています。ただ、活用してもらう意義についてはかなり高いのではないかと。とにかく、被災地の自治体というのはてんてこ舞いになっているのは間違いありませんから、僕もそういう場面はたくさん経験してきたので。そういった時に、相談する相手、聞ける相手、わざわざ電話しなくてもプロンプトを打ち込むだけで答えが返ってくるという点では、自治体の職員の皆さんにはかなり作業効率を良くできているのではないかと思います。我々も当然必要なプロンプトは今80ぐらい準備して、それごと提供しています。ですから、打ち込む時間というのも非常に少ない。よくあるようなことはプロンプトをそのまま使ってもらえれば答えが返ってくると。今後、自治体によってお困りごとは変わりますから、そういった違うお困りごとに対するプロンプトも全部かき集めて、どんどん増やしていけば、それをきれいに整理しておけば、別の自治体で同じ災害が起こった時にも、そのまま今度は使えますから。災害のこういった準備というのは、経験値をどんどん重層的に積み上げて、その都度新しい災害のところにそれをやって、その災害でまた我々が分からなかった新しい問題点の解決を平時のうちにしてまた積み上げていくという、その繰り返しだと思うのですね。DMATはそうやって25年間でかなり成長してきましたから、D-CERTもそのやり方を同じように進めていって、短い期間にできるだけのノウハウを積み重ねていきたいと思います。最終的に、今職員に言っているのは、そう遠くない将来、被災した自治体の皆さんからD-CERT早く来てくれと言われるようにならなければだめだよと言っています。そういったところにおいて、我々の活動はこれから大変大きな意義と価値を見出すのではないかなと思っています。

(以上)