松本大臣記者会見(令和8年6月30日)
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(令和8年6月30日(火) 9時55分から10時14分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)
松本デジタル大臣記者会見要旨
1. 発言要旨
今日はまず、医療DXの取組についての報告となります。
昨日、高市総理に対して、上野厚生労働大臣と私が、電子カルテの普及の進め方など今後の医療DXの取組について説明を申し上げてきたところでございます。具体的には、現行の「2030年までに電子カルテの普及率約100%を目指す」という政府目標がございますが、これを200床以上で、急性期医療を提供する病院等については、「2030年」から「2028年度」まで目標を前倒しすることとしました。また、医療機関同士でデータ連携を進めなければなりませんが、その際に電子カルテ等のクラウドネイティブ型製品の普及を進めること、そして大病院についてはこの製品の開発の支援を行っていくこともあわせて総理には説明したところです。また、クラウドネイティブ型製品が普及するまでの間、病院のサイバー攻撃の起点となっている外部接続点、ほぼ今の医療機関へのサイバー攻撃についてはこの外部接続点を経由していることがございますので、これを監視とチェックをして適正化の推進を図っていく、これも可及的速やかに図る方針を総理にはお伝えしたところでございます。
総理からは、これらの取組について、ご理解をいただくとともに、大病院の電子カルテの開発、クラウドネイティブ化について、これを早く前倒ししてやるようにというご指示があったところでございます。
デジタル大臣としては、厚労大臣とともに一緒になって、この目標をしっかりと達成できるように努力していきたいと思います。
2つ目になります。昨日、規制改革推進会議において、高市総理から指示がありましたが、AI・デジタルに関するイノベーションを急速に発展させなければいけません。また、技術を社会実装していく必要がありますから、その点について、「デジタル行財政改革会議」を「AI・デジタル改革推進会議」に改組いたしまして、同会議を中心として、府省庁横断でAIを前提とした規制・制度や運用ルールの抜本的な見直しなど、社会全体のAXを推進していくことといたします。
デジタル庁としましても、この夏にデジタル行財政改革会議の事務局機能・業務のデジタル庁への移管が予定されておりますので、それをきっかけに関係省庁と緊密に連携し、AIの利活用等の実装に向けて、更にアクセルを踏んでいきたいと思っております。
3点目でございます。年金受給者の方に向けて、公金受取口座についてのお知らせとなります。
先週、公金受取口座についてのマイナンバーとの紐付けを更に進めていただけるように、私からもこの場を通じてお願いをしたところでございます。今般、デジタル庁としては、この公金受取口座の更なる普及を図るべく、厚生労働省と、それから日本年金機構と協力しまして、公金受取口座の登録のお手伝いをする施策を始めることになりました。具体的には、年金受給者の皆さんのうち、公金受取口座をまだ登録されていない65歳以上の方が対象となります。年金振込口座をそのまま公金受取口座に登録することをお手伝いするものでございまして、対象者にあっては、今年の8月から来年の2月までを目途に順次日本年金機構から簡易書留郵便でこの旨のお知らせをすることになります。
自分たちが年金を受け取っている口座をそのまま公金受取口座とすることに同意いただける方については、返送などの手続は一切必要ありません。いわゆるオプトアウト方式でございます。この点は強調してお話をしておきたいと思いますし、皆さんにも是非この点を確実に国民の皆さんにお伝えいただければ大変ありがたいと思います。別個の口座にして欲しいとか、そういうのは嫌だという方においては、同意をされないということですから日本年金機構からのお知らせの封筒を受け取ってから45日以内に不同意申出書を返送していただくことになるということでございます。
本件については、本日よりデジタル庁のWEBサイトに本施策に関する特設ページを公開して、メッセージ動画なども掲載しておりますので、是非そちらをご覧いただきたいと思います。また、今後、郵便局、あるいは年金事務所でのポスター・チラシの掲載、あるいは薬局やクリニック等で制度紹介のための動画の投影など、本制度への理解増進のため周知広報を積極的に取り組んでまいりたいと思います。デジタル庁や日本年金機構のコールセンターで対象者等の方々からの照会にも対応する体制を整備しております。
我々としては、給付付き税額控除の議論もございます、先週お話ししたとおりでございますが、どういう仕組みになったとしても、今後、将来、「より早く、確実に」国からの給付等が給付されるように、皆さんの手元に届くように、普段から公金受取口座のマイナンバーとの紐付けをお願いしているところでございますので、今回、年金受給者の方々についてもこういった取組を進めていきたいと思っているところでございます。ぜひ登録をお願いしたいと思います。
4点目でございます。地方公共団体情報システムの標準準拠システムへの移行状況、特定移行支援システムの数についての報告となります。
令和7年度末までの移行支援期間を設けておりますけれども、現在、地方公共団体からの相談対応、あるいは移行作業を行う事業者が決まらない自治体に対する事業者情報の提供、あるいはデジタル基盤改革支援補助金による財政支援など、地方公共団体の皆さんには標準準拠システムの移行についての支援をしてまいったところです。
今般、令和7年度末までに、移行対象となるシステムのうち、これは全部で34,366システム、分母としてあるのですが、24,353システム、70.9%のシステム移行が完了したということをまずお知らせしたいと思います。全国の地方公共団体や事業者の皆様のご尽力のお陰で、システムの移行が集中した本年の1月から3月の間にも大きな混乱なく移行作業が進められましたことに、改めて御礼申し上げたいと思います。
一方で、昨年度末までに移行できなかった特定移行支援システムの数が引き算して29.1%、10,013システムとなりました。この要因は、予想以上にシステムエンジニアのリソースが必要だったということで、需要と供給のバランスが悪かったということになるわけですけれども、そういったことで事業者の方が移行スケジュールを大幅に見直したことが大きな原因だったと思います。
こういったことを踏まえてこれからも対応していきたいと思いますが、現時点で移行対象となるシステムの約9割を令和8年度末までに完了したいという見込みで、我々としては作業を進めていきたいと思っているところでございます。
2. 質疑応答
(問)医療DXに関連して、電子カルテの普及について伺います。大臣はこれまでも必要以上に業務に合わせてシステムをカスタマイズしすぎないようにすることの重要性についてご発言されていましたが、そのためには医師会等との調整が求められると思います。医師でもある大臣としてこうした点をどのようにお考えか、改めて進捗状況とともにご見解をお伺いします。
(答)総理からデジタル大臣にご指名をいただきまして、特にこの医療DXを進めて欲しいということが総理指示書にもございました。まず何をやったかというと、なぜこれだけ電子カルテの普及そのものに遅れが生じたかをいろいろとリサーチしたわけですけども。やはり1番大きな原因だったのが、自分たちの、いわゆる医師としての業務にシステムを合わせようというカスタマイズが非常に多かったことで、ベンダーの方々からもそういったものは非常に大きな原因だったということを伺いました。私も医師としてその立場で、向こう側の立場で電子カルテを眺めた時に、確かにそれは多分にそういう状況があっただろうということは実際に経験をしておりますし、そういった経験を踏まえて、あるいはリサーチしたいろいろな人からのご意見も踏まえて、まずはシステムをとにかくカスタマイズさせずに業務をそれに合わせていただきたいということが、これから電子カルテが普及する上で極めて根本的な方針として大事なのではないかということで、それをまず大きく掲げることといたしたわけです。まずは、それはやはりお医者さんの側にご理解をいただけなければいけませんから、日本医師会の方にもこの話をさせていただいて、会長はじめ常任理事の方々にも十分ご理解をいただいたということで、それをもとに、現在私はいろいろな都道府県医師会等々のところで講演をさせていただいておりまして、このことを皆さんにもお伝えしているところでございます。本当は47都道府県全部行脚したいのですけど、なかなかスケジュール的にも厳しいものがございますが、どこへでも呼ばれたら行きますということで今お伝えをしておりますので、この場を通して、是非、都道府県の医師会の皆さんには、リクエストをいただければ私が直接行ってお話をしてご理解を求めながら、電子カルテの普及を更に前に進めていきたいと思っております。そういった想いというか、ポリシーを持って進めていきたいと思っています。
(問)標準準拠システムの移行の件なのですけれども、自治体の数でいうと移行が完全には完了してない自治体が約1,000自治体、56.8%あって、背景にはシステムエンジニアの不足があるという事情とのことなのですけども。このような自治体に対して、デジタル庁としてどのような支援をされていくお考えでしょうか。今後の新たな取組とか支援のあり方について検討されているところがありましたら教えてください。
(答)移行が、20の標準業務及び共通機能に対して1つでも出来上がっていないところが、1,788ある中で1,015団体がまだそういう状況だということになります。割合にすると結構高いのですけど、これはあくまでも20のうち1つでもできていないところを数え上げるとそういうことになるということで、我々としては何を1番大事な指標にしているかというと、約35,000の全システムを分母としてどれぐらい移行が完了しているかということを1番大きなメルクマールにしているところでございます。その上で、個々の団体に対してひとつひとつのシステムを対象として早期に移行できるように支援をしているということです。今後、先ほど申し上げました業者側、ベンダー側のリソース不足というのは、全体としては7割移行したということで、このリソース不足がかなり緩和されることが見込まれます。ゆえに、今年度末までに全体の9割をなんとか完了させたいと思っているところで、そのために、まだ1番問題なのは次の事業者の選定がなかなかできていないところがありますので、そういった自治体にはデジタル庁が間に入ってしっかりと事業者を紹介するなど、そういった支援をこれから中心に行っていくことになるかなと思っています。
(問)先ほどの標準化について関連の質問なのですけども、標準化法で施行後5年を経過した場合においては見直し条項がございます。これを具体的にいつどのように始められるか伺えないでしょうか。特に中ではベンダー側のSE不足というのが原因としてありますけども、デジタル庁側、あるいは他の省庁もですけど、いわゆる仕様書の改変が非常に続いたり、デジタル庁側の要因というのもあるのではないかといういろいろご意見が出ていますので、それについても教えてください。
(答)まず、仕様書の改定ですよね。これは、その時のいろいろな政策によってシステムを変えなければいけないことがございますから、ある程度やむを得ず仕様書をどんどんその都度政策に合わせて改定しなければいけないということがございますから、無駄な改定をしているわけではないので全般的に遅れの原因としては、やはりシステムエンジニアのリソースが逼迫したことだろうと、我々としては考えております。その上で、標準化法の附則においては、政府はこの法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずると書いてあるので、ちょうど本年9月でこの標準化法の施行から5年が経過するということになりますので、その時点で、必要な課題の把握と検証に着手して、法律に書いてあるように結果に基づいて必要な措置を取ることになりますので、見直し等々については、その結果を見て、いつからやるということが決まると思いますから、いつからどうこうするということについては、私から予断を持ってお答えすることは今の時点ではできませんけど、スケジュール的にはそういうスケジュールで進めていきたいと思っています。
(以上)